脱線事故後に自死 JRに問う命の重さ

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乗客ら107人が亡くなったJR福知山線脱線事故。事故から3年半後、自ら命を絶った1人の男性がいます。
「息子の死をどう受け止めているのか」。JRに問い続ける母の思いを聞きました。
ブログを書いた男性はこの1年半後、25歳の生涯に自ら幕を下ろしました。
JR宝塚駅を出発した上りの快速電車は、福知山線の塚口―尼崎間でカーブを曲がりきれず脱線。乗客106人と運転士合わせて107人が亡くなり、562人が重軽傷を負いました。当時、京都市内の大学に通っていた岸本遼太さんも、事故に巻き込まれた1人です。4両目に乗っていた遼太さんは脱線の衝撃で首を捻挫、2カ月後から凄惨な事故現場を思い出すようになり、PTSDを発症しました。さらに翌年、不慮の事故で父を亡くし心の支えを失った遼太さんは2008年、後を追うように自ら命を絶ちました。
遼太さんの母・早苗さん。遼太さんの死後、救えなかった自分を責め続けうつ病と診断されました。
おととし1月、JR西日本は事故現場のマンションの一部保存に着手。ことし夏には、犠牲者の名前を刻んだ名碑などを設置する施設が完成する予定です。
早苗さんは遼太さんの名前を名碑に入れるよう要望しましたが、JR西日本からは対象は事故で亡くなった乗客106人に限り、遼太さんの名前については事故と関連付けて明記するという提案があったということです。名碑に名前を刻むことが叶わないならと早苗さんはJR西日本に対し、「現場周辺に慰霊の木として桜を植えてほしい」と伝えていますが、JR西日本からの回答はまだありません。
桜は遼太さんのことを思って、早苗さんが植えた「天の川」という種類。
事故があった4月25日前後に花を咲かせ、空に向かって伸びる姿に遼太さんを重ねています。
そして、21日。早苗さんは遼太さんの死後初めて、企業が起こした事故の遺族らが集うフォーラムに参加しました。事故とどう向き合い償っていくのか。遼太さんへの思いを胸に早苗さんはこれからも問い続けます。

サンテレビニュース
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