待たれるコロナ「治療薬」 その研究“最前線”(2021年1月1日)

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感染の拡大が続くなか、ワクチンとともに期待されているのが治療薬です。重症化や死亡するリスクを減らす切り札となるのか。研究開発の最前線を取材しました。

 所狭しと並ぶ実験機材。細胞を保存するタンクや遺伝子を増やすための大腸菌。どれも治療薬の研究には欠かせません。東京大学の井上純一郎教授のチームは、この1年、新型コロナウイルスに効く薬を探し出すために試行錯誤を繰り返してきました。
 治療薬の有力な候補として期待されるのが国内で30年以上、すい炎などの治療に使われてきた「フサン」です。去年3月、井上教授たちはフサンが新型コロナウイルスに効く可能性があることを世界で初めて突き止めました。そもそもウイルスは単独で増殖することができません。人などの細胞に侵入して細胞を乗っ取る形で数を増やします。フサンは最初のステップである細胞への侵入を防ぐことができるかもしれないのです。
 フサンを新型コロナウイルスの治療薬にするためには国の承認が必要です。そのため、5月からは病院で患者に投与し効くかどうかを調べる臨床研究が進められています。5月、都内の感染者は一日2人にまで減少。薬を投与する患者が少なくなった結果、臨床研究は思うように進みませんでした。逆に今は患者が急増。病院の体制が逼迫(ひっぱく)し臨床研究に人手が割けなくなっています。減りすぎても増えすぎても研究が進まないというジレンマです。
 10月下旬。井上教授が研究の合間を縫って訪れた場所があります。大学が全国の高校生と大学生を対象に行ったオンラインでのシンポジウムです。治療薬の研究について話すと次々と質問が飛びました。2021年、なんとかして成果を出して早く元通りの生活を取り戻すための助けになりたいと話します。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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