”緑茶”のカテキンが認知症予防に役立つ可能性

日本人の生活に深く根付いている緑茶。​その主要成分である「カテキン」や「テアニン」には、健康維持やリラックス効果があるとされています。​
近年、これらの成分が認知症予防に寄与する可能性が注目されています。
茶カテキンが認知症の予防に役立つ可能性について、最新の研究をもとにまとめました。

茶カテキンとは?

カテキンは、緑茶に含まれるポリフェノールの一種で、強力な抗酸化作用を持ちます。​特に「エピガロカテキンガレート(EGCG)」は、健康効果が高いとされています。​また、テアニンは緑茶の旨味成分で、リラックス効果やストレス緩和に役立ちます。

カテキンの認知機能への影響

アミロイドβの凝集抑制

アルツハイマー型認知症の主な原因とされるアミロイドβの凝集です。「エピガロカテキンガレート(EGCG)」は、この凝集を抑制し、既存のアミロイドβフィブリルを無毒化する可能性が示されています。​具体的には、「エピガロカテキンガレート(EGCG)」が成熟したアミロイドβフィブリルを非毒性の形に再構築し、細胞への毒性を減少させることが報告されています 。​

作業記憶の改善

中高年を対象とした研究では、カテキン抽出物の摂取により、作業記憶の改善が確認されました。​これは、日常生活での判断力や注意力の向上につながる可能性があります 。

緑茶の摂取と脳の健康

金沢大学の研究チームは、65歳以上の日本人約8,700人を対象に、緑茶の摂取量と脳MRIの関係を調査しました。その結果、緑茶の摂取量が多いほど、脳白質病変の容積が小さい傾向が認められました。

これは、緑茶に含まれるエピガロカテキンガレート(EGCG)の抗酸化作用や血圧低下作用によって、脳白質病変が縮小した可能性があり、脳白質病変は血管性認知症やアルツハイマー型認知症と密接な関係があることから、緑茶の摂取が認知症予防に役立つ可能性があるとまとめています。

適切な摂取量と注意点

研究によると、緑茶は1日2〜3杯の摂取が最も効果的であり、特に男性に予防効果が大きいとされています。​ただし、過剰摂取は効果を減少させる可能性があるため、適量を飲みましょう。

緑茶豆知識

緑茶といっても、実はいろいろな種類があります。茶葉の育て方、蒸し方、茶葉の部位などで異なり、一般によく飲まれている緑茶から超高級な緑茶までありますので、その種類を紹介を紹介します。

  1. 普通煎茶
    新芽を摘採後、生葉の酵素を止めるために25-30秒程度蒸して、乾燥したもの。
    現在日本で生産されているお茶の7割を占めています。
  2. 深蒸し煎茶
    普通煎茶より、蒸し時間が長いもの。1分~1分30秒ほど、じっくりと蒸します)
    茶葉は柔らかく、お茶の色は濃い緑色。苦みや渋みが少なく、まろやかでコクのあるものになります。
  3. 玉緑茶
    玉露は、限られた産地でしか栽培されない希少価値の高い日本茶。
    茶摘み前の約20日間、茶園全体を覆って日光を遮る「被覆栽培」という特別な方法で育てられる点が普通の煎茶との違いです。
    通常の煎茶にはない、強い旨味と甘み、芳醇な香りを楽しめます。
  4. 蒸し製玉緑茶
    生葉を高温の蒸気で加熱殺菌した後、球状または半球状に丸めながら乾燥させる製法で作られる緑茶の一種。別名グリ茶とも言います。釜炒り茶に比べて渋みが強いです。
  5. 釜炒り製玉緑茶
    生葉を高温の釜で炒って酸化酵素を不活性化させることで作られる緑茶の一種です。
    蒸し製法の煎茶に比べて、くせが少なくあっさりとした味わいが特徴で、カテキンも豊富です。
  6. かぶせ茶
    玉露と同じように茶の木に1週間ほど覆いをかけ、日光を遮って栽培されるお茶です。
    煎茶の爽やかな香りと渋みの中に、玉露のような旨みも感じられるのが特徴。
  7. 碾茶(てんちゃ)
    抹茶の原料となるお茶です。玉露と同様の育て方をします。
    碾茶は蒸した後、揉まずにそのまま乾燥させるので、茶葉の細胞が壊れにくく旨味や栄養素が損なわれにくくなります。
  8. 抹茶
    揉まずに乾燥させた碾茶を石臼で丁寧に挽いて作られる微粉末のお茶です。
    茶の湯で使われますが、最近は和洋菓子等にも使われています。
  9. 番茶
    硬くなった新芽や茎などを原料とした茶です。
  10. ほうじ茶
    煎茶や茎茶といった緑茶を、強い火力でじっくりと炒り上げたお茶です。
    カフェインも大幅に減少するため、就寝前のリラックスタイムにぴったりのお茶です。
  11. 玄米茶
    煎茶や番茶といった緑茶に、焦げ色がつくまで炒った干飯を50%くらい混ぜ合わせたお茶です。
    香ばしい香りが特徴です。
  12. 茎茶
    煎茶や玉露などの茶葉を加工する際に取り除かれた茎の部分を原料としたお茶です。
    苦みや渋みが少なく、さっぱりとした味わいが特徴です。
    お茶の製造過程で生まれる「出物」と呼ばれる種類のひとつです。
  13. 芽茶
    茶葉の中でも特に若い芽や葉の先端を集めたお茶のことです。
    通常の茶葉よりも多くの旨みが凝縮されており、濃厚な味わいと香りが楽しめます。
  14. 紛茶
    煎茶を作る際に生じる葉や茎の細かい破片を集めて作られるお茶です。
    お茶の製造過程で生まれる「出物」と呼ばれる種類のひとつです。
健康管理士<br>さとこ
健康管理士
さとこ

皆さんはどのお茶が好きですか?
私は、綺麗な緑色と香りを楽しめる抹茶入りの煎茶が大好きです。スーパーなどで手軽に買えるのがうれしいです。
外出時はウイルスや病原菌の感染予防と水分補給のためにマイボトルに入れた緑茶を飲むようにしています。

参考元:
J-GLOBAL「EGCGは成熟α-シヌクレインとアミロイド-β原線維を改造し、細胞毒性を減少させる」 
・CareNet「緑茶の認知機能予防効果、アジアと欧州で違いあり」
CareNet「緑茶に認知症予防効果?~65歳以上の日本人約9千人の脳を解析」
・国立がん研究センター がん対策研究所予防関連プロジェクト「緑茶・コーヒーの摂取と認知機能障害リスクとの関連について」
・山本山「初心者向け!緑茶の種類と選び方【全種類解説】

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