中国に複合不況の足音 不動産苦境、金融・財政に波及
【北京=川手伊織】中国で不動産開発企業の経営難を起点に、金融と財政が同時に悪化している。銀行では不動産融資の焦げ付きが増え、工事が止まった物件で住宅ローンの返済拒否が広がる。地方政府が国有地の使用権売却で得る「土地収入」も落ち込む。7月のマンション販売は前年同月比3割減と低迷が続き、苦境の出口は遠い。
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中国は過去20年間、不動産投資で経済を押し上げてきた。米ハーバード大学教授のケネス・ロゴフ氏らの分析によると、不動産関連の国内総生産(GDP)に占める比率は29%に及ぶ。1990年代末の10%未満から存在感を高めてきた。20%以下の日米欧と比べて、不動産依存が際立つ。
ロゴフ氏らは広義の不動産関連の投資が20%減少すると、中国のGDPは5~10%減るとはじく。都市部雇用の15%超を占める不動産業と建設業の不振は、雇用不安を増幅させかねない。
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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM27A3C0X20C22A7000000/
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