■「それってエビデンスあるんですか?」
世の中には、それを言われると言葉に詰まってしまう「脅し文句」がある。「誰に向かってものを言っているんだ」とか「……ですが、何か問題でも?」といった言い回しはその典型だ。最近そこに加わったように見えるのが、「それってエビデンスあるんですか?」である。
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つまり、「陰謀論」もまた、「証拠」の有無によって専門家を信じるべきかどうかを決めようとしている。その意味では、「エビデンス」の有無を重視する態度とも実はあまり違いがない。どちらも専門家が信頼できない可能性を前提しているのである。
おそらく、この背景には、データベースやインターネットの発達によって、一般人でも簡単に画像やデータを集められるようになった状況がある。自分でも調べられるからこそ、専門家が確たる「エビデンス」を持っていないことが分かると、「ほら見たことか」と批判したくなる。「それってエビデンスあるんですか?」という言い回しが、時として妙に攻撃的になってしまうのもそのためだ。
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https://gendai.ismedia.jp/articles/-/91226
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