世界保健機関(WHO)の感染リスク管理部責任者シルビー・ブリアン(Sylvie Briand)氏がAFPの取材に応じ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)について、一部の国では危機発生以前に事前対策を講じられていなかったことに驚いたと話した。
ブリアン氏に話を聞いた。
Q:パンデミックが急速に広がったことに驚いているか
A:われわれは2009年に新型インフルエンザ(豚インフルエンザH1N1)の流行を経験した。ウイルスが急速に拡散し、世界は9週間にわたって影響を受けた。
現代の生活様式を考慮すると、急速に広がることは想定できた。
われわれが驚いたのは、一部の国がパンデミックに対する事前対策をあまり講じていなかったことだ。
Q:今回の準備不足をどう考えるか
A:2009年までは準備がしっかりと整っていた。2003~2005年に鳥インフルエンザが流行したためで、2009年のパンデミック発生時の対策は十分だった。
各国はマスクの備蓄があった。世界は準備していた。
しかし2009年のパンデミックを経験し、人々は「それほどひどいものではなかった」と思うようになった。われわれはこれをパンデミック疲れと呼んでいる。各国は事前対策を更新しなかったし、危機的状況が過ぎたあとは、ストレスを感じるほどものではないと高をくくるようになったのだ。
2009年のパンデミックがそれほど深刻な事態にならなかったのは、準備をしていたからだと考えている。死者は25万~40万人に上ったと推定されているが、準備していなかったらもっと悪い結果になっていた可能性がある。
(以下略)
https://www.afpbb.com/articles/-/3282998
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