僕「うおっ、でけえハマグリ!……かわいそうだし帰すかな。……気まぐれだ……」次の日 女「一目惚れです結婚して」僕「いいよ」

雑談
1 : 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします :2018/12/01(土) 04:00:32.272 ID:TakE23vgp.net
僕「お前の作る飯はうまいな。特に味噌汁なんて出汁がきいてて最高だよ」

女「あらまあ、ありがとうございます。お前さんに褒められるだけで身が煮えるように熱くなりますよ」

僕「はは、それは困るな。どうだ、今度ちょっとばかし作るところを見せてはくれないか」

女「それは勘弁してくださいな。私、料理姿を見られるのはどうにも恥ずかしくて……」

僕「そこをなんとか。減るもんじゃなかろうに」

女「駄目です」

僕「そこまで言われちゃ仕方ない。隠れて覗くとするさ」

女「……絶対に覗かんでくださいよ。覗くようなら三行半でも叩きつけてみせます」

僕「……わぁったよ」
翌朝
僕「ん、今日はいつになく早く起きたな。あいつは……この小気味良い音からするに朝飯の支度か」

僕「……昨日はああまで言われたがやはり好奇心は抑えられんな。……見つからなければ問題ないさ」

僕「……台所の戸まで来てしまった。包丁の音が止んだが、気づかれたか?……いや、そうならば声をかけるだろうし、まだ問題ない」

僕「……水を注ぐような音がするな……。そっとだ、そっと戸を開けて中を覗きそっと閉じる、それだけだ見つかることはない……」スー(戸を開く音)

僕「見え……見えた……ん?あいつ、鍋にまたがるように立って何をしてんだ?……手の位置からして服をたくし上げて……まさか小便でもしてるのか?!」

僕「おまえ!何してるんだ!」

女「えっ、どうして!……あ、あれほど覗くなと言ったじゃあありませんか!」

僕「黙れ!人に出す食い物に小便を混ぜるやつがあるか!出て行け!」

女「ぐっ!しかしこれにはわけが」

僕「聞く耳なんて持ちやしないぞ!いますぐに出て行け!」

女「……わかりましたよ。……お世話になりました」

僕「ひどい女だ……ああ、この味噌汁もほとんど完成してるというのに。……飲めるか、これ?……少し混じっただけならいい……いや結構……けど小便の匂いはしないな。飲んでみるか」

僕「……若干出汁が薄いが……いつもの、うまい味噌汁だ。……追いかけるべきか?……そうだよな、きっと」
砂浜
僕「ここにもいないか……いや、あれ女に似てるな。……あの手の動き、もしかして泣いてるのか?声をかけようか?」

僕「……面倒なのに関わりたくないしな……。ん、いやちょうど泣き止んだところだったようだ……」

僕「どうしたんだあの娘、急にうずくまって……」

僕「あれ!どこに消えた!?」スタスタ(女のいた方へ歩く)

僕「娘が消えた?隠れるような場所もない。怪しいものも特には……なんだこれ、ハマグリ?それも大きい……」

僕「そういえば少し前ちょうどこのくらいのでかいハマグリを見つけたことあったな。それでその次の日にあいつと出会って……それであいつと別れた日にまた同じ大きさのハマグリがある……?これって……もしかして……」

僕「……いや、空想をめぐらしてもどうしようもないんだ。ここにも女はいなかった、他をあたるしかないな……」

僕「……ハマグリよ、おまえも海に帰りな。誰か探してるかもしれないからな」
おしまい




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